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2020.09.08

杭打機転倒事故から考える地盤改良の肝!

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沖縄及び九州地方に襲来した台風10号。

 

被災された皆様に謹んでお見舞い申し上げます。

 

今から数年前、2020年頃から台風の勢力は大型化、猛烈化すると予想されていました。

 

風速は70m~80mに達し、降水量も観測史上初めてと、どんどん更新されて行く、といった勢力になるだろう、と。

 

海水温の温度が1度でもあがると、地球全体に及ぼす影響は計り知れないらしいです。

 

いや、想像がなかなか出来ない災害が、世界各国を襲うであろうと言われていました。

 

また、海の海流も空の気流も、磁極である北磁極も、しいては太陽活動の磁力低下と言う、地球のみならず、太陽系事態がバランスを崩し始めている様です。

 

南半球は現在冬ですが、温かい南米パタゴニアやアルゼンチンを中心に南極の寒気が襲い、8月しては記録的な寒波となりました。

 

これは数年前から気流が壊れ、ジェット気流が北極から南極にまで到達してしまうと言う異常事態が起きており、世界中の夏・冬をごちゃごちゃにしてしまう可能性が出て来たことを示すと言われています。

 

これにより作物は大打撃を受け、復帰するまでには数年ないし、見通しがつかなくなるとも言われています。

 

大々的な気候変動は生物多様性を脅かし、しいては人類にとっての脅威である「世界規模の食糧危機」がやって来ると言われています。

 

この様なカオス的な近未来が起きぬよう、人類の生活様式を原始時代に一旦戻さなければ歯止めは効かず、地上はデストピアにあるであろうと言われています。

 

有史以来の最大の危機的災害が起きぬよう、地球人類が、出来る事からコツコツと対策をして行かなくてはならない時代になりそうでね。

 

 

 

さて前置きが長くなりましたが、ここから話は本題に入ります。

 

私たち杭打ち屋にとっての最大の危機は、何といっても労働災害です。

 

そして、死亡事故に匹敵するとまで言われている杭打機の転倒事故は、会社の経営基盤そのものを揺るがしかねない大規模災害です。

 

まして物的損害だけならまだしも、それが起因して死亡事故に至るケースとなると、もはや施主、元請、パイルメーカー、遺族を巻き込む取り返しのつかない事態に発展してしまいます。

 

そもそも杭打機は平坦堅固な地盤で、なおかつ敷鉄板を敷設し、その上で作業をします。

 

しかも杭を吊り込み、旋回して履帯(キャラピラ)に一番重量の掛かる際は、なんと!1㎡あたり35tにまで達します(機種によります)!

 

さらに、この重量は地表から地下2m前後まで伝播し、その下にある硬い地層に跳ね返って地表へと反力が押し戻される事で、杭打機の足場は安定すると言う理屈になっています。

 

よく敷鉄板を井桁状に敷設すれば大丈夫だと言うケースも有りますが、そもそも杭打ち屋から言わせてもらえば、井桁にしなければならないほど地盤が悪いと言う事になります。

 

井桁にしてしまうと、ただでさえ軟弱な地盤を敷鉄板の敷き替えで長い距離を行ったり来たりすることで地盤の沈下を誘発し、井桁状の敷鉄板ごと杭打機が転倒する可能性も有ります。

 

そしてQ&Aでも述べましたが、杭打機の足場の補強改良は、表面の硬さだけでなく、しっかりとした硬い「厚み」が必要になります。

 

柔かい豆腐の上に薄い板チョコを乗せて、指で押せば簡単に薄い板チョコは割れてしまいます。

 

30数トンの重量が1㎡に集中しても破断しない「厚み」が必要不可欠になるのです。

 

地域差と杭打機の機種や杭のスペックによっても全然変わってくるので、その現場に合わせたしっかりとした計算が必要になります。

 

新潟県でも上越地方や県央など、表層がシルト・粘土で構成されている地盤は、地盤改良をしていただいています。

 

中には3mも改良しなければもたないと言う場所さえあります。

 

現場に入る前からしっかりとした予防策を打ち、あらかじめ地盤改良の必要性の有無を考慮し、お金の準備も必要になります。

 

杭打ち屋としてはゼネコンさんの気持ちも痛いほどわかります。

 

改良面積が大きければ大きいほど、数百万円~数千万円の費用が掛かりますから。

 

しかも杭打ちが終わると、その改良地盤を根伐りして廃棄するのですから、心情的にはお金をドブに捨てているように捉えられ事も有ります。

 

しかし、万が一杭打機が転倒してしまった時の多大な取り返しのつかないリスクを考えれば、答えは必然的に出ると思います。

 

以前は地盤改良に対して前向きでなかったゼネコンさんも、近年の杭打機転倒事故の悲惨さを見て、しっかりと改良を行っていただける様になってきました。

 

それと、幾つか注意点ですが既存建物の解体工事後も、解体した基礎下地盤までの深さの改良が必要になります。

 

また、表層に腐植土と呼ばれる大昔の植物が堆積した地層は、セメント系の改良が反応しない為、固まりません!

 

よって、この腐植土層を取り除き、粗目の土砂で置き換える手法を取らなければなりません。

 

それと、地下水が浅い位置で出る場合も地盤改良の効きが悪くなる一つの理由です。

 

俗に言うトランポリン現象と呼んでいますが、改良層の中に水が多く混入し、セメントで抜気されると改良層の中には気泡が出来ます。

 

そこに乗ると、人間が飛び跳ねただけでもぶよんぶよんする改良体になってしまうのです。

 

水が多い場合はしっかりと水を抜いてから地盤改良をしなければなりません。

 

地球規模の気候変動による災害はなかなか防ぎようが無いですが、杭打機の転倒災害は時間とお金をかければ防ぐ事が出来ます!!

 

杭打ち作業の安全は、まず足元から!

 

それでは本日もご安全に!!