杭工事 よくあるご質問
Question
Answer
まずは杭打機の重量を把握しましょう。例えば、DH558フェニックスであれば、この機械が施工できる最大の機械重量は114tです。ですが、旋回したり杭を吊り込んだりしていると、動きが生じて、瞬間的に地盤にかかる重量負担は大きく変化します。そこで杭打機が作業してる際の接地圧を求め、地盤改良の計算の目安にします。ちなみに、表層の地盤強度がN値0~2程度しかない場合、間違いなく地盤改良が必要になってきます。また既存の建物を解体し、基礎を解体して地盤を乱した時も一緒です(解体した深度まで改良)。注意しなければならないのは、表層付近に腐植土層が有る場合は、固化材が全く効かないので、腐食土層をそっくり砂等で置換する必要があります。
ではどれくらい改良すればよいのか。一般的に杭打機の重量は、足元の敷鉄板を通じて、表層から約1.5m~2.0m、斜め45度に伝わると言われていますので、N値が表層から2m~3m程度まで軟弱であれば、目安として、改良深さは1.5m~2.0m、固化材の添加量は約100㎏~80㎏/㎥程度必要です(含水比・現場条件・天候等に合わせて改良の計算が必要です)。多いと思われるかもしれませんが、実際はこのくらいの地盤強度が無いと、改良した層がひび割れを起こし、そこから敷鉄板ごと機械が転倒することもあります。わかりやすく例えると、軟らかい豆腐(軟弱層地盤)の上に、板チョコ(改良層)を乗せて、重量をかけても板チョコが割れなければいいわけです。また表層1.0mを添加量120㎏前後でガチガチに固化しても、改良の厚みが少ないので途中で堅い地盤が割れてしまい、杭打機が転倒してしまいます。悪い例は、工期とコストを抑える為に、計算結果よりも少ない層厚、添加量で改良しますと、この板チョコが割れてしまい、会社自体が無くなってしまう様な恐ろしい結果になってしまいます。また、含水比が多くなる梅雨時や降雪のある冬季は十分に溜まった水を抜き、表土のヘドロをすき取り、砂を混ぜて改良します(シルト粘土層に有効)。さらに気温の低い冬季は、セメント系固化材の強度発現が遅いので、改良した表土の上にブルーシートを敷いたり、砂等で盛土し、土中温度を調整したり、水分が溜まらない様に養生する事が硬化のポイントになります。
※上記ポイントをおろそかにしてしまうと再度の地盤改良が必要になり、コストと工期が大幅に遅延する原因になります。
コストや時間を削って、計画よりも改良地盤を浅く、添加量も少なくしてしまうと、表層の薄い改良地盤が縁切れを起こして割れてしまい、杭打機が転倒してしまう。
機種 | オーガ | 発電機 | リーダ長 | 杭種 | 最大重量 | 最大接地圧 |
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DH558 | SMD150 | NES500 | 27m | φ80100-13m | 121.9t | 339.7kPa(3.47kgf/cm2) |
φ100120-10m | 126.5t | 388.7kPa(3.97kgf/cm2) | ||||
φ600-13m | 111.3t | 239kPa(2.44kgf/cm2) | ||||
DH558 | D80KP | NES220 | 24m | φ6075-11m | 82.9t | 292.5kPa(2.98kgf/cm2) |
φ600-14m | 82.5t | 285.4kPa(2.91kgf/cm2) | ||||
φ500-10m | 79.5t | 243.6kPa(2.49kgf/cm2) |
仮設走路の敷鉄板も縦敷では無く横敷で浮力を持たせないとトラックすらぬかってしまう!
特に表層のひび割れている地盤は、一見堅固に思うが、雨水により一瞬で軟弱になるので要注意!
正規の改良厚が確保できないと「縁切れ」を起こしてしまい転倒する危険が!
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